もう彼女には飽きていた
一緒にいるのが長すぎたみたいだ
好きな曲も、伸びて擦り切れてしまったテープのようになっちゃあね…
彼女が寝入ってる間、僕はベッドで新聞を読んでいた
すると社交欄には、こんな記事が…
”もしもあなたがピナコラーダが好きで
雨に濡れるのが好き
ヨガに興味がなく、物事を深く考えない
そして岬の砂丘で真夜中に愛し合うのが好きなら、
私はあなたが探してる女性です
手紙をください、一緒に逃げ出しましょう”
こいつはステキだ!
ちょっと悪い気はしたけど、僕たちはもうお互いに飽きてる
さっそく彼女に宛てた手紙を書くことにした
僕は名もない詩人だけど、悪くない思いつきだよね
”僕はピナコラーダが好き
雨に濡れるのも好き
ムキムキのマッチョじゃないし
健康食品を食べるよりもシャンペンを浴びる方が好き
堅苦しいのは抜きにして、明日のお昼に会いませんか
オマリーのバーで、一緒に逃げ出す計画を練りましょう”
僕はワクワクしながら待っていた
すると彼女はやってきた
僕は一瞬にして彼女の微笑む顔を知っていることに気がついた
彼女の顔の形を知っていた
だって、僕の愛しい彼女だったんだもん
彼女は言った
「まぁ、貴方だったの!」
僕たちはしばらく笑い転げた後、ようやく言った
「気づかなかったよ…」
君はピナコラーダが好き
雨に濡れるのが好き
海を感じるのが好きで、シャンペンを味わうのが好き
もしも真夜中に愛し合うのが好きなら
岬の砂丘で抱き合おう
そう、君こそが僕の探してた女性だよ
さぁ、おいで!
僕と一緒に逃げ出そう!
もしもあなたがピナコラーダが好きで
雨に濡れるのが好き
ヨガに興味がなく、物事を深く考えない
そして岬の砂丘で真夜中に愛し合うのが好きなら、
僕ははあなたが探してる男です
手紙をください、一緒に逃げ出しましょう

パートナーズ・イン・クライム
「Escape (The Pina Colada Song)」
by Rupert Holmes
訳詩 ださいおさむ









